本年、上半期の楽しみ

ゴールデンウィークも終わりましたが、個人的には、まだまだ楽しみが続くこの上半期です。


今週土曜日、京都文化博物館成瀬巳喜男の戦前の作品『鶴八鶴次郎』を観にいきます。
さらに、同館にてブラジルの「ネルソン・ペレイラ監督特集」が開催されます。未知の監督さんなので、不安はあるものの楽しみであります。


ここでは、滅多に見られない映画を上映してくれるので、頻繁に利用しております(笑)
先日は、市川崑監督『おとうと』('60)を鑑賞してきました。
映画上映についての詳細は、こちらを参照してください。


それと、忘れてならないのは、1ヶ月あまりに迫ったW杯です。
代表の発表は、(確か)10日だったのではないか、と思います。素人なので、監督や代表の選考にはなんともコメントできませんが、誰が選ばれるにせよ、失敗を恐れずにベストを尽くして欲しいものです。
(前回大会、対オーストラリア戦残り10分の再現はもう嫌ですネ)


南アフリカと日本との時差は7時間。よって、今回も深夜の放映で寝不足になることは避けられそうにありませんが……。やっぱり、録画じゃなくてライブで観るほうがいいからなあ(苦笑)

玉木君のファンなので、晩酌のしめに……


スーパーの特売で↓の商品が売られていた。





あれ、これって最近、玉木宏がCMしてるものじゃない。ブログスカウトからの掲載依頼のメールが来てたので、余計に印象に残っていたのだろう。
手ごろな価格だったので、思わず「こしの極 そうめん」と「こしの極 ざるうどん」を購入。


彼は、若手の男優の中では好きな人の一人だ。
ただ、ボクの場合はTVドラマ『鹿男あをによし』→『のだめカンタービレ』→映画『ウォーターボーイズ』というような、一風変わった順なんですが……(笑)


TVはそう頻繁に観るほうではないけど、ファンだったり注目している人のCMはやはり印象に残るものだ。
玉木宏は男性では、かなりCMに出演しているのだろう。ボクの知る限りでは、ドーナツ関係やらアルコール関係やら携帯関係やら、いろいろ目にする。


今回は永谷園。お茶漬け関係ではなく麺関係。
こしの極 そば
こしの極 そうめん
こしの極 ざるうどん
である。


その日の夕食は、家族が外出してしまって、一人。
そこで、酒の肴を適当に2つ3つ作り、しめに下のものを食べた。


前日、もつ鍋をした時のスープを少々味を濃くして、つけ麺でいただいた。
乾麺は、ゆで麺と違って手軽に麺が食べたいときに食べられる。誠に便利な品だ。
賞味期限はあるものの、まあ大体「突発的に」麺が食べたくなったときに「活躍」してくれる。


こしの極 ざるうどんは、こしがしっかりしているので、つけ麺で熱い汁うどんでも美味しく食べられそうだ。
実際、麺の上にゴマをまぶし、熱めの汁につけて食べた。スープの味が濃くても、それに負けないしっかりした麺であった。
今回は、つけ麺にしたが、次回は鶏の鍋をしたあとで、うどんすき仕立てで食べてみようかなあ。


こしの極 そうめんの方は、乾椎茸で濃い目に出汁をとり、甘みのあるあっさり味で食べてみようかなあ(笑)
乾麺は、決まった食べ方はなくて、いろいろと工夫した食べ方が可能。
だから、我が家では常備しております。

『歩いても 歩いても』(幻冬舎)是枝裕和

歩いても歩いても

同名映画の原作である。流石に原作者と映画監督が、同じ人だと(当然のことながら)小説も映画も同じ空気が流れている。
以前、TV番組で是枝氏自身が、この小説の主人公の母親役は樹木希林でアテ書きしていたとのこと。
どうりで映画での樹木希林は、例の賞を獲得した作品よりも生き生きして見えたわけだ。


映画をご覧になった方なら、おおよその筋はお分かりと思います。
小説の方は、主人公が7年前を回想しているという設定。(映画も同じだったか、少々自信がない<苦笑>)


神奈川県の久里浜に住む両親を姉と弟がそれぞれの家族と共に訪ねる。
15年前に海で亡くなった兄・純平の命日に実家に集うのが恒例だからだ。
そこでの一日半の物語である。
老夫婦の間、父息子の間、嫁姑の間、これらの関係が何もかもが円満というわけではない。
でも、それもよく考えれば、人生の雨風を通り過ぎてきた方ならば、大なり小なりは経験していることではないだろうか。


物語中、特に事件が起こるわけでもなく、いろいろな感情に綾なされながらも淡々と一日が過ぎ行く。
ある意味、凄く身近に感じる話だ。
主人公は、家を出て両親と別居している。そして、地道で安定した人生を送っているわけではない。
特に、この点に個人的にシンパシーを感じてしまった(笑)


父親に反発して実家に帰るのがおっくうなのだけれども、父親と散歩するときにはつい父を気遣って歩調を遅くしてしまう。
「イヤだなあ」と思いながらも「嫌い」になれない。
反って、父の死後、懐かしく思ってしまう。なんかよく分かる話で、読みながら照れくさくなる(笑)


題名にもなっている「歩いても 歩いても」は歌謡曲ブルーライト・ヨコハマ』の一節。
映画では、父親の浮気話との関連ででてきたが、小説では何かをほのめかしているばかりである。


読後、まだ健在の母に電話を入れたくなるような物語だ。
そのわけは、小説を読めば分かります。
ああ、何か映画のほうもまた観たくなってきた(笑)

あけましておめでとうございます。

昨年は、いろいろと雑事が続いたり、加えて、ドストエフスキーやらトルストイやらを読み始めたため、ブログに当てる時間が減少してしまいました。


本年は、昨年よりはブログの記事を充実しようと年等にあたり宣言?いたします。←保証の限りではありませんが……(苦笑)




↑は近所の「権九郎稲荷神社」です。


新年は京都なので、白味噌のお雑煮です。本音を言うと、東京風の雑煮の方が……でございます(苦笑)

『原爆の子』'52

新藤兼人/監督&脚本 

出演:乙羽信子滝沢修北林谷栄宇野重吉奈良岡朋子殿山泰司

原爆の子 [DVD]


たった一発の原爆により、家族が生活が人生が一変する。
国家の大義の前には、一個人の夢や幸福など芥子粒のようなものなのだろうか?


安直に核武装を主張する軽薄さに飽きれる。
机上の作戦であれこれ指令を出せるのは、この国の司令官クラスの軍人の特色なのだろうか?


空幕長だった田母神某の著作を通して、氏の主張には机上のもしくはソファーの上で考えたものとしてしか、感じられなかった。


核の廃絶を唱えていたら平和が来るなんて思ってもいない。
だからと言って、核武装の有効性をさも平和を願って主張するというのにも、眉にツバをつけてからでなければ聞けないなあ(苦笑)


それはともかく、映画のほうの話に移る。
主演は、乙羽信子であるが、ある意味、狂言回しのような役回り。
広島の町に住む人は、原爆の惨禍から生き延びたとしても、いろいろな悲しみを背負っている。

ラストで、空から飛行機の爆音が。
被爆者は、一瞬身体が強張る。
被爆体験を覚えていない子どもは、無邪気にはしゃぐ。


この対比を単なる映画の効果的なシーンと捉えるのではなく、実際に被爆を体験していない人びとに向けられたメッセージのように感じた。


映画鑑賞後、原作を読んだときの衝撃を思い出す。
子どもの稚拙な表現による記述が、原爆の悲劇を一層生々しく伝える。


「自虐だ」「サヨクだ」と戯言を声高に叫ぶ連中もいる。
しかし、被爆者の静かな声に耳を傾けたら、そんなもの吹き飛んでしまう。

『人間の條件』(第1部・純愛篇、第2部・激怒篇、第3部・望郷篇,、第4部・戦雲篇)'59

小林正樹/監督 五味川順平/原作 松山善三小林正樹/脚色
人間の條件 DVD-BOX


国家間の戦争と個人の関係を強く問いかける作品。その原作は、既にベストセラーにもなっているので、ストーリーは人口に膾炙している。


市立図書館から借りて、自宅にて鑑賞。まず、驚いたのはロケ現場が北海道各地、ということ。
影技術によることは否めないにしても、とても日本で撮影したとは感じられなかった。
おそらく現在の北海道では、同じ景色にはならないだとろうから、その意味では貴重な映像ともいえる。


映画は、原作に忠実に製作されており、原作で感じた「国家と個人」や「人間の尊厳」といったテーマに映画でも同様に違和感なく受け入れることができた。


仲代達矢演じる主人公・梶は、理想主義者であることを止めないで、厳しい現実に立ち向かう。ややもすれば、甘ったるい優等生的な話になるところを原作に忠実に、梶に過酷な試練をあたえる。これこそ、「四面楚歌」の状態だ。


権力を持つものが、持たざるものから搾取する。ある意味、これは人類史の縮図では……。






まだ5部・6部は未鑑賞であるが、一先ず、これまでの感想、である。

『歩く、人』'01 小林政広/監督

歩く、人 [DVD]


<出演>緒形拳香川照之林泰文・大塚寧々・石井佐代子・占部房子


知らなかった作品でした。この監督の作品も観たことがなかったので、半ばギャンブルのつもりでレンタル。借りて正解でした(笑)


妻を亡くした男と息子達の物語。粗忽で不器用な男達のドラマだ。
最初見たときは、何かメリハリのない印象であったが、味わいのある緒形の演技に惹かれて、繰り返し観てしまった。

<あらすじ>
北海道の小さな寒村。造り酒屋を営む66歳の本間信雄(緒形拳)は、2年前に恋女房をガンで亡くしている。次男は家業を継いで信雄と共に暮らし、長男は 12年前に家を飛び出して、もうすぐ30歳になろうとするのに芽の出ない音楽活動を続けている。孤独な信雄の日々の唯一の楽しみは、毎日片道8キロ、鮭の孵化場に通ってほのかに恋心を寄せる職員の美和子と会い、鮭の稚魚の成長を見守ることだった。2日後に迫った亡き妻の3回忌。久しぶりに家族3人が集うこの日、信雄はもう一度、息子たちと歩み寄りたいと願っていた。
歩く、人(2001) - goo 映画

場面の代わり際に、映される(多分)緒形拳自筆の文字がいいアクセントになっている。
また、古い造り酒屋の店構えがいい。この家の歴史を感じさせる。


緒形拳の肩の力の抜けたような飄々とした演技がいい。特に、歩く姿に味があり、歩くシーンばかりを何度も繰り返し鑑賞してしまった(笑)
二人の息子(香川照之林泰文)も好演している。不器用で感情を上手く表せない感じが、よく出ている。


鮭の孵化場の職員役の石井佐代子という女優さんがいい。大地の香りのするような空気を醸しだす。
彼女は、葉月蛍orほたるの名で成人映画に多数出演。一般映画は本作だけのよう。もっと映画で観たい女優さんだ。また、多摩美大出のアーティストでもある。


ただ、ひとつ気になるのは、人物を映している際のカメラの動き方。意図があってのことだと思うが、どうも何度観ても落ち着かない(苦笑)