過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクト


自民党のホームページ「過激な性教育ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクト」(以下、「プロジェクト」と略)に次のような記述が見られます。

家庭科教科書で家族や結婚を
否定的に教える

(例) 家庭崩壊のすすめ
「例えば祖母は孫を家族と考えていても、孫は祖母を家族と考えていない場合もあるだろう。家族の範囲は全員が一致しているとは限らないのである。犬や猫のペットを大切な家族の一員と考える人もある。」
(東京書籍)

一体、何が問題なんだろう。確かに「祖母は孫を家族と考えていても、孫は祖母を家族と考えていない場合」は、単純に考えると不幸な状況だ。しかし待てよ、じゃあ2世帯住宅の場合はどうなのか? 幼稚園児なら、玄関が別々なら「祖母を家族と考えていない場合」だって、あるのではないか。「ジェンダー」という言葉をやたら目の敵にしているとしか思えない主張である。


ボクの家庭は3世代同居で、娘は祖父を家族と当然のように考えている。しかも離婚もしてない。多分「プロジェクト」所属の国会議員センセイからは、「合格印」をもらえる家庭だ。


でも、センセイ方に、「理想的」とか「範とすべき」などと、まっぴら言われたくない。
個々人には、それぞれ事情がある。友人・知人の離婚経験者は少なくない。(従って、それらの家庭は母子or父子家庭)それぞれがそれぞれの事情を抱えて生きているのだ。


軽々しく「家族や結婚を否定的に教える 」とするのは、浅慮と断言せざるを得ない。


また、とくに「プロジェクト」は言及してないが、ペットを家族の一員と考えるのはあまりよろしくないような印象を受ける。我が家では、愛犬も立派な家族の一員である。

大体、「家族」「結婚」というような個人的な問題に、政治が関わるときはそれ相当の基準を設けなければならない。今さら、憲法の「基本的人権の尊重」云々という、あまりに当然のことを言いたくない。少なくとも「お上」から「理想の家庭」モデルの提示なぞ言語道断だ。

民主党のほうに「ジェンダーフリー」に理解を示す議員がいるからといって、政争のネタにはして欲しくないものだ。「ジェンダーフリーについての政策論争をしてくれよ」と言いたい。

加えて、現総理も離婚経験者なんですから、ジェンダーについてどう考えているかもセンセイ方はお尋ねしてはどうだろうか?