「サヨナラCOLOR」'04  竹中直人/監督  竹中直人・馬場当 /脚本

サヨナラCOLOR スペシャル・エディション [DVD]

tougyouさんのブログにて、関西で深夜に放映することを知る。いつものことながら、情報に感謝&多謝!


主演の原田知世は、'80年代は演技がそこそこの優等生タイプの女の子、というイメージが強かった。(多分に「時をかける少女」のイメージが個人的には多くを占めていました)
そんな彼女に対する認識が変化したのは、映画「あした」での演技でした。動きの少ない演技で、感情を上手に表現していた。


竹中直人は、TV・舞台・映画のみならず、いろいろな分野に才能を発揮する鬼才、と認識していた。'80年代前半「お笑いスター誕生」でのネタというか、一人芝居が懐かしい。
大好きな大林作品の「ふたり」では、精神医のちょい役ながら印象に残る演技をした。


連れ合いは、以前新劇の舞台を鑑賞して、パーティでも同席したそうだ。パーティでは物静かで、とてもブラウン管で見る彼と同一人物には思えなかった、と言っている。


ということで、楽しみにして見てみた。

あらすじ
海を臨む病院に勤める医師・正平(竹中直人)の元に、子宮がんを患った未知子(原田知世)が入院してきた。偶然にも未知子は、正平が高校時代思い焦がれた初恋の人、その当人であった。気軽に独り身を謳歌しているかに見える正平には、長年付き合っている居酒屋の女将・聖子(中島唱子)や、最近知り合い、いきなり援交を申し込んできた女子高生まなみ(水田芙美子)がいるが、心の中は二十数年もの間、一途に想い続けてきた未知子でいっぱいだ。「思い出してくれましたか? 僕のこと」。そう問いかける正平だが、肝心の未知子はすっかり正平を忘れている様子。一方の未知子にも、長年の恋人・雅夫(段田安則)がいた。雅夫は今をときめく売れっ子スタイリストだ。しかし浮気性の雅夫には、未知子の友人で、彼女が作るガラス細工のランプを売るアンティーク・ショップの経営者・あき子(雅子)という愛人がいた。献身的に治療を施しながら、なにかと自分を思い出してもらおうと試みる正平。始めのうちはしつこくされて迷惑気味の未知子だったが、いつしかそんな彼に心を開いていく。化学療法が効き、未知子は手術できる状態にまで回復した。自分で執刀したいと願う正平だったが、正平自身の体調を心配する後輩の医師・前田(内村光良)の薦めで、担当は子宮がんの権威・巌岳先生(中島みゆき)に決まった。正平は長年の不摂生がたたって、病魔に身体をむしばまれていた。そうとは知らない未知子は、夜勤明けの正平を海に誘い出した。ランプの材料となるガラスのかけらを、正平と共に集めようと思ったのだ。死ぬことへの恐怖におびえる未知子を、「あなたは長生きしなくちゃだめだ」と励ます正平。“欠席"に丸をつけていたが、未知子に誘われて正平は高校の同窓会に出席した。久々の旧友との再会。壇上で未知子はスピーチするが、正平は所在なさげに後ろで佇むのだった。そして、いよいよ手術の日がやってくる。手術室に送られる前、未知子は正平に告げる。「先生、これからの50年、私と一緒に生きていただけませんか?」。正平を求めるように差し出された未知子の手のひらを、驚きながらも握り返す正平。そして、未知子の手術が始まった。
サヨナラCOLOR(2004) - goo 映画

話の内容は、ことさらに珍しいものではない。高校時代の片思いの女性が、20数年後、昔の面影を残したまま現れる。そこでの大人のちょっともの悲しいラブストーリー。せつなく感動する映画なのだが、ちょっと無駄が多いような。


一場面一場面の綺麗な映画だ。ポスター作りのネタ満載だし、写真集を出すこともできるのでは。その反面、ストーリー展開にちょっと無理があるような…。加えて、配役にも。


段田安則を「売れっ子スタイリスト」にするならもっとあか抜けた中年男でなければ。ボクには、さえないオジサンと映ってしまう。まるで、ダチョウ倶楽部の寺門ジモンみたい(失礼)


中島みゆきを俳優として、わざわざ使う意図が分からなかった。時間はわずかだが結構、重要な役と思うのだが…。清志郎に関しては、○です。原田知世と同級生なのはやや無理がある(苦笑) が、まあ合格!


いろいろと工夫や細工を凝らしているのはわかる、成功している所も多い。でも反面、やや無駄なところがあった、と思わせる遠因なのでは? 例えば、フランスの海岸でのガラスの破片拾い、未知子の後をつける高校生の正平、雅夫が先妻の子どもと対面するシーン、まだまだあるがまあこのへんで(苦笑)


もう少し、シーンを削除して90-100分の範囲で収めれば、もうワンランク評価が上がるのでは(全く個人的な見解ですけど)


くどくど、文句を言いましたが、オープニングとエンディングは見事!とくにエンディングの原田知世の後ろ姿がいいし、それを思いっきりカメラを引いて撮っているのが効果的だ。そこに乗っかる曲も素敵だし、清志郎のハモリが泣かせる。


竹中直人はもちろん良い演技してます。さらに、原田知世が久々に輝いて見えたのがウレシイ。だからこそ、尚更惜しまれるなあ。