『靴みがき』'46 ヴィットリオ・デ・シーカ/監督

※'47年アカデミー賞特別賞受賞


靴みがき [DVD]

tougyouさんご推薦のデ・シーカ作品を鑑賞。いやあ、いい映画ですね。
戦後の混乱期を描いた作品。戦災孤児と貧しい一家の少年の「友情」と「裏切り」と「死」を扱ったもの。
同じデ・シーカの作品『自転車泥棒』と同系列に属する。本作は『自転車泥棒』のように人口に膾炙してもいいのでは、と思った。

<あらすじ>
パスクアーレ(フランコインテルレンギ)とジュゼッペ(リナルド・スモルドー二)の二人の少年は大の仲よし。占領軍のいるローマで靴みがきをやりながら貧しいが元気いっぱいに生きている。二人の夢は貸馬屋の馬を買いとることだった。お値段が五万リラ。せっせと貯めこんだ金が三万三千五百リラ。未収分があって、すでに四万四千七百リラある。目標にもう一息だ。靴みがきだけでこんなにたまるはずはない。ジュゼッペの兄をリーダーとする占領軍闇物資の横ながしに協カしてもらった金だ。ある日、いつも通りにアメリカ製毛布をもって女占い師の家に売りに行った。そこヘ兄と仲間が警官に化けて現れる。手はず通りに成功。二人はそれでもらった金を足して、早速馬を買い得意になって乗りまわした。翌日、警官同道の女占い師に見つかり二人は共犯容疑で捕まった。占い師はあの時七十万リラも盗まれていたのだ。未決のまま少年拘置所へ。二人の監房生活がはじまった。取り調べがはじまり、二人は約束通り口を割らなかった。しかしパスクアーレはジュゼぺが拷間されているものと思い、ついしゃべってしまった。ジュゼッペは怒り、二人の友情はこわれた。そのうえジュゼッペは同房の少年と脱獄。パスクアーレは彼が馬を預けたところ行くと思い、刑事たちと向った。案の定そこにジュゼッペを発見したパスクアーレは怒り、誤って彼を殺してしまう。
靴みがき(1946) - goo 映画

デ・シーカ監督の子役の使い方は、憎いほど上手い。主演のフランコインテルレンギは美少年であるだけでなく、泣かせる演技をする。演出の妙だとは思うが、フランコ少年が素晴らしい。


直接戦争を描いたものではありませんが、戦争によって、個人の生活が破壊されることを感じさせる、反戦映画と解釈することもできるのでは?


それにしても、古いフランス映画やアメリカ映画でもそうだが、子供はよく走り回るなあ(笑)


また、自分自身を顧みて、10代の頃は、素直に友人に「ゴメン」と言えなくて苦い思いをしたことも多々あったなあ。
今考えると、些細なつまらないことで腹を立て、なかなか仲直りができない…、そんなことを思い出しました。