『座頭市』'89 勝新太郎/監督 子母沢寛/原作   勝新太郎,中村努&市山達巳/脚本

座頭市(デジタルリマスター版) [DVD]

勝新太郎の代表的役柄の一つ、『座頭市』がKBS京都にて放映された。
今回の目玉となる相手役は、緒形拳。浪人役での登場。
以前、三船敏郎岡本喜八監督『座頭市と用心棒』'70)や仲代達也(三隅研次監督『座頭市あばれ火祭り』'70)との共演があり、本作でも座頭市の相手役の浪人として緒形拳を起用している。

1989年には勝新太郎の監督による『座頭市』が公開された。それまでのシリーズの名場面を盛り込んだだけものであるとの批判も一部にあったが、衰えないアクションにファンは喝采を浴びせた。しかし、立ち回りの撮影中に真剣が出演者の頸部に刺さり、頸動脈切断で死亡事故が起きたり、公開翌年には勝新太郎が逮捕されるなどして、映画(および勝)の周辺にはトラブルが絶えなかった。『座頭市2』の企画がしばしば話題に出ることがあったものの、勝の逮捕が影響してか新作企画はいずれも頓挫したようであり、本作が勝新太郎による最後の制作映画となった。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

原作が、子母沢寛なのでしっかりしたものだろうが、おそらく原作を離れて勝新太郎の役者としての特性を生かした内容・見せ方になっている。
原作を離れたところが、このシリーズの命脈を長引かせたのだろう。


その意味では、池波正太郎鬼平犯科帳』とは異なる。
鬼平』の方は、原作から離れると、どうも陳腐な印象を受けてしまう(苦笑)


それはともかく、本作でも、座頭市の立ち回りは見事だ!
ラスト近くの立ち回りを見るだけでも飽きさせない。
ただ、そこに力点があるためか、ストーリー全体は、それほど面白くもなかった。


勝新太郎の見事な太刀裁きと緒形拳と勝の絡みのシーンを楽しむための映画、かなあ。
それと、三木のり平の軽妙な演技が印象的であった。