『火天の城』(文藝春秋)山本兼一<'04年第11回松本清張賞受賞作>

歴史小説・時代小説は、幾多の大家がいる。そのため、大衆受けする題材で採りあげられていないものはほとんどない。しかし、著者は視点を変え、戦国の世を権力者や武将のそれではなく、彼らに仕えていた職人−本書では、大工−の目を通して、描いている。新鮮な点であり、作品を成功に導いた、大きな要因であろう。

織田信長に仕えた大工の親子による、安土城建造を中心に物語は展開する。父と息子、夫と妻、といった現代にも通じる人間関係をちりばめている。

火天の城


この書籍もtougyouさんの紹介によるもの。ありがとうございます。もうtougyouさんに足を向けて寝られません(笑)