「越路吹雪ロング・リサイタル」
今回は、意表をついて「越路吹雪」です。偉そうに彼女について、語れるほどの知識はありませんが、ボクの中では「シャンソン=越路吹雪」で、E.ピアフもC.アズナブールもE.モンタンも彼女を通して知りました。
ここで紹介しているレコードは、’69年5月日生劇場でのライブ録音。¥3000です。(ちょっと、驚き、よく買えたなあ)
そういえば、大学に入学した頃、シャンソンのライブ・ハウスにも足を運んだものです。「愛の賛歌」「サントワマミー」「人生は過ぎゆく」「ろくでなし」「メランコリー」等々、これまでのボクのCDやライブ紹介からでは考えがたい曲ですが、結構好きです。10代の若い頃に聴いていたせいか、今でも口ずさめます(笑)
宝塚歌劇には興味ないんですけど(ファンの方、ゴメンナサイ)、この人の唄は好きでした。何で言うか、ジョン・レノンの唄みたいに心に突き刺さってくるんだなあ、ボクには。
その要因の一つは岩谷時子の詩にあるような気がします。とにかくこうして聴いていると―隠れ家で聴きながら書いてます―彼女の唄は大人のそれだなあ、と感じます。確かに、ラブソングも多いのですが、それが大人同士の恋愛を
さしているような。それも、決して結ばれる愛ではなく、「届かぬ愛」「せつない愛」「破れた愛」を対象にしている。それを越路の説得力ある歌唱で歌うのだから、当時ロングリサイタルが可能だったのも肯ける。
「人生は過ぎゆく」「サン・トワ・マミー」「そして今は」「愛の賛歌」は、文句なしに感動させられる。全然、ロックでもジャズでもブルーズでもないんだけど、いいんだよねえ、これが。強いていえば、魂に響く歌。となるとソウルか?