『12人の優しい日本人』'91 中原俊/監督 三谷幸喜&東京サンシャインボーイズ/脚本


昨日あの映画を観たのだから、今日はこれを観なくてはと思い、観ました。もう15年以上前の作品なのに、すごく新鮮だった。もうこれで5回くらい観たのだが…。
12人の優しい日本人 [DVD]

もし、日本にも米国のような陪審制度があったらどうなるのか?というテーマで、名作「12人の怒れる男」をモチーフにしていることは、その題名からも推察できる。単に、アメリカ人を日本人に置き換えたものではなく、「12人の怒れる男」のエッセンスを吸収しつつ日本人ならではの感性を提示するのに成功。
キネマ旬報の1991年ベストテンで日本映画ベスト7、日本映画脚本賞を受賞している。


ギャグなどほとんどないが、笑える映画だ。有名になる前だが、既に豊川悦司は存在感がある。

あらすじ
ある殺人事件の審議のために12人の陪審員が集められた。ここに来た12人は、職業も年齢もバラバラな無作為に選ばれた人々。陪審委員長を努める40歳の体育教師の1号、28歳の会社員の2号、49歳の喫茶店店主の3号、61歳の元信用金庫職員の4号、37歳の庶務係OLの5号、34歳のセールスマンの6号、33歳のタイル職人の7号、29歳の主婦の8号、51歳の歯科医の9号、50歳のクリーニング店おかみの10号、30歳の売れない役者の11号、そして同じく30歳の大手スーパー課長補佐の12号。被告人が若くて美人だったことから審議は概ね無罪で始まり、すぐ終わるかに見えたが、討論好きの2号が無罪の根拠を一人一人に問い詰めたことから、審議は意外な展開へ。有罪派と無罪派と分裂、さらに陪審員達の感情までもが入り乱れ、被告人が有罪の線が強くなっていく。ところがその時、他の者から浮いていた11号が事件の謎解きを推測し始め、それによって事件の新たなる真実が判明する。そして事態はまたまた逆転し、被告人は無罪となるのだった。

12人の優しい日本人(1991) - goo 映画


12人の役者が、それぞれの役を演じきっている印象を受ける。


感心したのは、『12人の怒れる男』に出てくる台詞を上手く再利用している点だ。どこになるかはネタ晴らしになるので、申しません。両方とも観てください。なかなか考えている、と感心することしきりです。


よくできた脚本があれば、特殊撮影やロケシーンがなくても飽きさせないのだなあ。


映画は監督のもの、と理解していたが、それと同時に脚本が大きな位置を占めていることを痛感。舞台の方も観たくなる。