『或る夜の出来事』'34 フランク・キャプラ/監督 ロバート・リスキン/脚本

アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞・主演男優賞・主演女優賞
或る夜の出来事 [DVD]

身分や経済力の違う男女の恋愛ものの古典の一つなのだろうか。当然、ふたりの生活感覚の隔たりやズレによるやりとりから始まり、徐々に惹かれあっていく二人。オーソドックスなラブ・コメディだ。

あらすじ
ニューヨークでも屈指の大銀行家アンドルース(ウォルター・コノリー)の一人娘エリー(クローデット・コルベール)は、頑固な父の承諾を得ずに飛行家キング・ウェストリー(ジェームスン・トーマス)と婚約したために、マイアミ港外で父のヨットに監禁される。辛抱できなくなった彼女は海に跳び込んで逃げ、キングのいるニューヨークへ向かうべく人目を忍んで夜間バスに乗る。バスの中でエリーは、失業中の新聞記者ピーター・ウォーン(クラーク・ゲーブル)と同席に。娘の失踪を心配したアンドルースは、1万ドルの懸賞金付きで行方を捜索させる。ピーターは新聞記事によってこのことを知ったが、1万ドルを手にしようともせず、彼女とのバス旅行を続けていく。途中、橋が洪水のために壊されて捜索の手は伸びてきたが、ピーターの機智によって、まんまと逃れることができた。こんなことから2人はいよいよ親しくなる。所持金を使い果たし、バス旅行も続けられなくなったので、今度は徒歩でニューヨーク行きを続ける。野宿をしたり野菜を盗み食いしたり、ヒッチハイクをしたりと苦楽をともにして遂にニューヨーク郊外まで来た2人は、バンガロー宿に頼んで泊めてもらう。そこで、エリーは父アレクサンダーが出した新聞広告を目にする。結婚を許可するから居場所を知らせよ、という内容だった。しかし今はピーターを恋しているエリーは、彼に自分の想いを打ち明ける。だがピーターは無一文では百万長者の娘に結婚を申し込む訳にゆかないと思い、エリーの眠るのを待ってひとり抜け出してニューヨークに急ぎ、2人のロマンチックな旅行記を以前いた新聞社に1000ドルで売り、急ぎ引き返す。しかし、夜中に目を覚ましたエリーはピーターに置きざりを食らったと思い違いして、父に連絡して迎えにきてもらう。2人はお互いの心を誤解したまま、別れてしまう。アンドルースは娘が無事に帰宅したことを喜び、ウェストリーとの結婚式を盛大に挙げる準備を進める。しかしエリーの心は平静ではなかった。娘の心中を知ったアンドルースはピーターの真意を聞き正し、結婚式の最中にエリーを自動車に乗せ、ピーターの元に走らせる。ウェストリーは10万ドルの慰謝料を貰って、喜んで結婚を解消。そして、ピーターとエリーは田舎の安宿で新婚の夜を迎え、カーテンで作った「ジェリコの壁」は取り払われるのだった。

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やはり主演のクラーク・ゲーブルは男前である。何とも言えぬ存在感があります。画面に登場したときの雰囲気が他の役者とは違うように感じます。これがスターの証なのかな。


エリー(クローデット・コルベール)が、朝食を摂るとき、食べ方をピーター(クラーク・ゲーブル)に注意されていた。これは、アメリカのいわゆる金持ちは「成り上がり者」ということを示したいのだろうか。同時代のフランス映画に出てくる庶民の方が、上品な食べ方をしているような…。


念願の作品賞と監督賞を獲ったキャプラは、さぞそれまでの苦闘の歴史を思い感無量だっだのでしょうね。