『散弾銃の男』'61  鈴木清順/監督 松浦健郎&石井喜一/脚本


KBS京都というローカル局は、なかなかサプライズな番組を流してくれる。
毎週水曜日のゴールデンタイムに『中島貞夫の邦画指定席』という番組がある。主に昭和30年代の日活・東映大映の作品を放映している。
当然、玉石混交で黒澤明の『羅生門』を放映するときもあれば、絶対にDVDかされないと思われるレアな作品も放映する。


先日放映されたのは、二谷英明主演の日活アクション映画。
このジャンルの映画は趣味に合わないので、進んで観ることはない。
でも、本作は鈴木清順がメガホンを取っているので鑑賞。
かすかな期待をしつつ見たのですが、期待はずれ。やはり個人的には、時間の無駄という印象が……(苦笑)


設定が無国籍で、やたらに銃を撃つのは許せます。
でもねえ、演出の粗雑さというか底の浅さが、どうも目につく。参りました。
それに映画の主題歌(『夕日に立つ男』『ショットガンの男』)も主演俳優が歌うのですね。
酒場で主役の二谷英明が、いきなりアコーディオンをもって歌いだすのには……(苦笑)


同じように酒場に女がいて踊るシーンでも、先日みた『未完成交響曲』の同様のシーンとは雲泥の差だ。
つまりは、個人的にはツッコミどころ満載の映画なのです。
この程度の作品なら、TVドラマで十分。なにも木戸銭払ってまで見る気になれないなあ(嘆息)


中には「西部劇のパロディとしての楽しさに溢れた作品」ととる人もいるようなので、一概に「ダメ」というわけではないだろう。
しかし、個人的には「ムリ」な作品だ(苦笑)


南田洋子は、『幕末太陽伝』とか『豚と軍艦』ではよかったのだが、本作ではどうも単純な水商売の女で、どうも面白みがない。
芦川いづみも『洲崎パラダイス』では、可憐な店員役でその一途さが可愛らしかった、でも、この作品ではただ清純なだけ。「一途」というより「単純」といった言ったほうが適切だ。

↑チャーミングな女優さんです。


今回に限らず、いろいろな作品を観て思うことは、どんな名優であっても、駄作というかどうでもいい作品に出演しているなあ、ということである(笑)