「ふたり」監督・大林宣彦

ふたり

千津子と実加は仲のいい姉妹だったが、ある日、姉の千津子が事故で死んでしまう。
ショックを受ける実加の前に、幽霊となった千津子が現れる。以来、千津子の励まし
によって、実加は様々な苦境を乗り越えていく……。
赤川次郎同名小説を「時をかける少女」「さびしんぼう」の大林宣彦監督が映画化
した青春ファンタジー。再び尾道を舞台に描く“新・尾道三部作”の第1作目。
           <allcinema 解説より>


ロケ現場

単純な比較はナンセンス以外の何物でもない。そんなことは百も承知。だが言いたい。映画のほうが面白かった。
そうだな〜、舞台が原作の「東京」を映画は「尾道」にした。この時点で、映画は半分原作を離れて一人歩きを。

舞台のみならず、ストーリー展開も原作に拘泥しなかったため成功している。作り方によっては、家庭崩壊ともとれる内容を不自然さを残さずに、後味の好い結末にしている。(決してハッピーエンドではないが)  加えて、音楽担当・久石譲の貢献大である。主題歌を非常に効果的な使い方で、映画を魅力あるものにしている。

ロケ現場

中でも千津子(姉)役を演じた中嶋朋子がいい。(「北の国から」はまともに観たことがないので「蛍ちゃん」のイメージが個人的には皆無) 映画「つぐみ」でブルーリボン賞助演女優賞を獲得したが、こちらほうの表情がより素敵だ、と個人的に思う。

大林監督は、少女の女優を巧く使う。 原田知代、富田靖子、そして石田ひかり と、15〜17歳の少女から大人になる、さなぎの状態を自然に演じさせている。これが巧くいくと、まだ稚拙な演技がかえって光ってくる。

この当時の石田ひかり中嶋朋子は、本当にチャーミングである。(現在が…、というわけではないが<汗>)