『明日の記憶』'05 堤幸彦/監督

明日の記憶 [DVD]

この映画も以前beatleさんが、推薦されていた。
日曜洋画劇場40周年特別企画で放映。昨年話題になった映画の一つで、主演の渡辺謙日本アカデミー賞主演男優賞を獲得。
賞の名に恥じない、熱演であった。真に迫る「アルツハイマー病」の男を演じている。
tougoyuさんがご指摘されたように、「白血病」を克服したことが渡辺謙の俳優としてのターニングポイントであったのだろう。


同年の者として、他人事のような気がしない。
そうでなくても、ここ2・3年で学生時代の先輩・同輩が病死しているので、否応なく「人生の終焉」について考えさせられる。カッコつけた言い方をするなら、自分の半生を省みるいい機会になった。


病は、突然襲ってくる。差別なく平等に。
だからこそ思い出した、「省みて悔いのない人生」という『わが青春に悔なし』での野毛のセリフを。

【解説】
 働き盛りのサラリーマンに襲い掛かる“若年性アルツハイマー”の恐怖を描いた荻原浩の同名ベストセラーを「バットマン ビギンズ」の渡辺謙主演で映画化した感動ドラマ。徐々に記憶が失われていく主人公の戸惑いや不安、そんな夫を献身的に支える妻との深い絆を描く。共演は樋口可南子。監督は「トリック 劇場版」の堤幸彦
 広告代理店に勤める49歳の佐伯雅行。仕事も充実し、一人娘の結婚も控え、公私ともに忙しくも幸せな日々を送っていた。ところが最近になって急に物忘れが激しくなり、不安になって病院を訪れた佐伯は、そこで衝撃の事実を告げられる。医者が下した診断は“若年性アルツハイマー”というものだった。やり場のない怒りと不安に苛まれる佐伯。だが、そんな夫を妻の枝実子は静かに受け止め、2人で一緒に病と闘い続けようと覚悟を決めるのだった。
allcinemaより

献身的な介護に当たる妻から、これまで20数年間の夫として父親としての有様を突きつけられ、困惑する男。
「男は仕事、女は家庭」というシステムが、いかに危うくあやふやなものなのか、「アルツハイマー病」を通して示されているような気がする。


改めて、「死ぬ」ということは「どう生きるか」の裏返しでは、と思った。
40代以上の既婚男性には、とくにお奨めの映画です。


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