『ピアノの森』

何たって、ピアノの音色が好きだ。クラシックでもジャズでも、ピアノ演奏を第一に選んでしまう。
一日の仕事を終え、書斎で「ホッ」としたいとき、たいていピアノ・ソロのアルバムを聴いてしまう。


その日その日、思いつくままCDを手に取り、ターン・テーブルに。
クラシックなら、ポリーニアルゲリッチ・ピレシュ・中村紘子、そしてアシュケナージ
ジャズなら、バド・パウエルソニー・クラークケニー・ドリューウィントン・ケリー、そしてビル・エヴァンス


ポリーニの「幻想即興曲」でも、アシュケナージの「英雄ポロネーズ」でも、中村紘子の「子犬のワルツ」でも、ウィントン・ケリーの「ウィスパー・ノット」でも、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」でも、
気分を切り替え、ピアノの音色に身を任せながら一杯飲るのは、ボクにとって一日の欠かせない時間だ。


しょっちゅう「自分では弾けないのに、口うるさい!」(ピアノの弾ける連れ合い・談)と言われる。
まあ、2歳上の姉がピアノを弾くのを横で聞かされて以来、45年。耳だけは上達するのかも(笑)


アニメは、特に観るわけではないが、今週公開の『ピアノの森』はちょいと気になることがある。


映画は、ピアニストを目指す少年達のお話だ。
物語自体も、面白いと思うが、個人的にはあのアシュケナージがピアノを弾いているというのが注目。
主題歌は、松下奈緒が唱う。この人、美人であるだけでなくピアノも唄もいけるようです。
BGMの演奏は、なんとチェコフィルが担当!(ノイマンの『新世界』は大好きな一枚)


クラシック・ファンの中には、「商業主義」といってアシュケナージの参加にいい顔しない頑迷な人もいるかも。
でも、音楽は音楽でしょ。個々人の嗜好は認めるが、いいか悪いかはジャンルで決まるのではなく、音楽の質で決まるのでは。
心の垣根を取り払って、耳を傾けるほうが豊かな時間を過ごせると思うのだが…。