[映画]『はつ恋』'00 篠原哲雄/監督  長澤雅彦/脚本

はつ恋 [VHS]

明日から『夕凪の街 桜の国』が封切りになる。おそらく宣伝も兼ねて、田中麗奈・主演の映画を地上波で放映しているようだ。とりあえず録画して観たが、予想外にいい映画だった。

<あらすじ>
17歳の高校生・聡夏(田中麗奈)の春休みは、初めての失恋と母・志津枝(原田美枝子)の突然の入院で始まった。父・泰仁(平田満)とのギクシャクしたふたり暮らし、思わしくない母の病状に、動揺する聡夏。
そんなある日、病床の母の頼みで彼女が大切にしていた古いオルゴールを探し出した聡夏は、その中から投函されていない一通の手紙と一枚の写真を見つける。手紙は24年前に母が藤木真一路(真田広之)という父ではない誰かに認めたラヴレターで、色褪せた写真には若い頃の志津枝と藤木と思われる男性が写っていた。
「私たちはこのまま終わりになってしまうのでしょうか?あの願い桜の下でもう一度会ってください…、桜が咲いたらもう一度」切ない母の想いが綴られた文面。
それを読んだ瞬間、聡夏は母に内緒で藤木を探し、24年前の母の願いを叶えてあげることを決意する。手紙に書かれてあった母の故郷である長野県上伊那郡を訪ね、やがて東京に暮らす藤木を捜し当てる聡夏。
ところが、その男は結婚生活の失敗で負った心の傷を乗り越えられずにいるうらぶれた中年になっていたのだ。これでは母をがっかりさせてしまう。そう思った聡夏は、藤木の改造を開始。
同時に、願い桜の満開の夜、ふたりを再会させる準備を整える。しかし、藤木は一足先に病床の志津枝を見舞ってしまう。25年振りに再会を果たすふたり。そしてその後、藤木は別れた妻の暮らす北海道へ旅立った。
夜、そんなこととは知らない聡夏は、母を連れて病院を抜け、願い桜に花見に出かける。だが、そこへ現れたのは藤木ではなく父であった。戸惑う聡夏。しかし、母はそんな娘に幸せそうな顔を見せるのだった。そして、それが彼らの最後の家族旅行となった。
はつ恋(2000) - goo 映画

人は誰でも、いくつもの出会いと別れを経験して成長していく。現在の自分があるのは、過去の様々な体験があるから。それが、甘いものでも苦いものでも、思い返せば今の自分の礎に。
でも、本当に大切なのは身近にいる人。家族だ。
そんなことを感じさせてくれる映画だ。


主演は田中麗奈なんだろうけど、完全に周囲のベテラン陣に食われてしまった。
原田美枝子真田広之平田満。この面子が大人の複雑な内面を演技しているのだから、仕方ないのだが…。


原田美枝子は、20代の頃の印象が強い。
でも、このしっとりした演技は、何なんだ!20代の若さはないが、内面からしみ出る魅力がたまらない。
不治の病に冒された女性を淡々と美しく演じている。


音楽がいいなあ、と思ってクレジットを見たら久石譲であった。納得納得。