お歳暮の事々

ここのところ「おせち料理」「年賀状」について書いたので、お次は「お歳暮」について(笑)
既に、デパートからは案内が届いている。日本の伝統として残すべきという意見がある一方、「虚礼」であるとしてやり取りを廃止すべきとする意見も。
そもそも「歳暮」という語は、中国の古典では1,「年末」2,「老年の喩」での用例があるのみだ。
運歩色葉集(うんぽいろはしゅう)に「年末に贈答する禮物」とあることから、日本由来のものであることは確からしい。


ボクは、日頃お世話になっている人に感謝の、ご無沙汰している人に御挨拶の、それぞれの意味を込めてお贈りしている。「物品」を渡すことに不快感を感じる方もいるようだ。しかし、「気持ち」は身銭を切って「形」にせよ、という池波正太郎の言葉に従って、お世話になったり、ご厚意をいただいた方には心ばかりのものを贈っている。財力に乏しく大した金額のものでないのが心苦しいが…(苦笑)


気をつけている点は、それによって仕事の便宜をはかってもらうことのないところにだけ贈っている。もう少し賢くなってもいいのに、と言われるときはある。だけどそんなのは、どうも「いやらしく」かつ「あか抜け」してないと感じてしまう。
金使いは、『剣客商売』の秋山小兵衛とか『鬼平犯科帳』の長谷川平蔵のように、きれいにパッパッといきたいものだ。

運歩色葉集(うんぽいろはしゅう) 国語辞書。天文16(1547)〜17年頃に成立。国語をイロハ順に集めたもの。イロハ各部を更に下位分類していない点で「天正十八年本節用集(1590)」と異なるが、収載語が多い点に特色が見られる。 用例の出典:英草紙(はなぶさぞうし) 読本、怪奇小説集。近路行者(都賀庭鐘:つがていしょう)。寛延2年(1749)。5巻。角書(つのがき)、古今奇談。中国白話小説の翻案9編からなる。
慣用句辞典より)