『余命三ヶ月のラブレター』(幻冬舎)鈴木ヒロミツ

余命三カ月のラブレター

鈴木ヒロミツ氏が、永眠されたと聞いたのは、つい最近のことのように思っていたが、もう一年になる。
本書は、鈴木氏の死後出版されたもので、モップス以降の人生の回想と家族に宛てたラブレターからなる。


本書は、肝臓癌で余命三ヶ月の告知受け、その死の直前にインタビュー(聞き手:神舘和典氏)されたものだ。
途中、神舘氏しよる解説・説明が、本の流れを邪魔しない形で挿入されている。


井上陽水忌野清志郎からも慕われていた、その人間性に触れることが出来る。
改めて、モップスの音源を通して、彼の音楽に触れたいと思った。


重箱の隅をつつくようなことを指摘して心苦しいのだが、本書p.83に解説で

この曲は、ポール・ロジャースが書いている。七〇年代にデビューして
その第一作目が一二〇〇万枚の大ヒットとなったイギリスのロック・バン
ド「バッド・カンパニー」のヴォーカリストだ。

直ぐに気づいている方もいると思います。
ここに記されているポール・ロジャースのキャリアには、基本的なミスがあります。
彼のデビューは、正しくは「フリー」で
「フリー」解散後の'73年に結成したのが「バッド・カンパニー」。
第一作「BAD COMPANY」は、確かに大ヒットしました。
でも、ロック史で、「フリー」は無視できない存在。それにレコード・デビューは'68年。
でも、「これってロック・ファンなら基本だよな」と思うのはボクだけではないのでは?


ブルーズやロックを愛した鈴木ヒロミツ氏の本だからこそ、基本的な間違いは残念である。
このCMはよくTVで見ました