『アメリカン・ギャングスター』’07 リドリー・スコット/監督 スティーヴン・ザイリアン/脚本



先日、『再会の街で』と2本立てで鑑賞してきました。
デンゼル・ワシントンラッセル・クロウの競演で話題になった作品。実話に基づく話ですが、娯楽性も兼ね備えた面白い作品でした。
本・CD・DVD通販「セブンアンドワイ」のサイトで見たら、まもなくDVDが販売される。


まずは、作品の紹介と感想。

<解説>
1968年、フランク・ルーカスは長年仕えたハーレムの黒人ギャングのボスの死後、独自の麻薬ビジネスを展開する。やがて大物マフィアをも出し抜く成功を手にするが、目立たないことを信条にする彼の素顔はベールに包まれたままだった。一方、汚職がはびこる警察組織の中で正義を貫こうとする刑事リッ チー・ロバーツは新設された麻薬捜査チームのリーダーに任命され、ドラッグ市場を牛耳る謎の人物に迫って行くのだった。


ギャングにファミリーとくれば、マフィア、すなわちイタリア系という定説を覆して、卓越したビジネス・センスを武器にアフリカ系としては前代未聞の麻薬王の座に登りつめるデンゼル・ワシントン
対するは麻薬捜査班を指揮するラッセル・クロウ
実在の人物をモデルに二大オスカー俳優の激突で巨匠リドリー・スコットが描くのはベトナム戦争に疲弊した時代の裏社会版アメリカン・ドリームだ。
立場の違いこそあれインディペンデント・スピリットに富み、地道な努力を決して怠らない気骨ある2人の男が、お互いの組織力と知力を総動員してそれぞれの闘いに挑む姿には単なる犯罪映画の範疇には収まらないダイナミッ クな面白さがある。
アメリカン・ギャングスター - goo 映画

黒人とユダヤ人。「差別される側」の二人は、ギャングと刑事という正反対の立場。
映画が始まってしばらくは、二人の絡みどころか、まるで2つの物語が同時進行しているかのような印象を受ける。



ギャングのボスにのし上がり麻薬で大もうけするが、ハーレムの貧民に七面鳥をプレゼントしたり、教会で敬虔な祈りを捧げたり、妻や親兄弟を含めた一族郎党に愛情を注ぐ。
一方、刑事で、汚職に手を染めないが故に、周囲から浮いた存在になり、妻子には去られ、女にはだらしがない。



そんな二人が、接点が生ずる辺りで、物語はヒートアップしていく。
麻薬で身を立てるギャングは、悪人であることには変わりはない。しかし、なぜか憎めない。
それは、ギャングであっても「差別する側」「される側」の違いがあり、黒人は確実にされる側の人間だからだ。
黒人として地位を築くために、徹底的に知力を尽くしているからだ。観ていて、知らず知らずにシンパシーを感じてしまった(苦笑)

デンゼル・ワシントンラッセル・クロウが、絡む場面は緊迫感があるが時間的には長くはない。だが、二人が協力して汚職警官を摘発して行く様は見事。短い時間でも見ごたえ十分であった。


痛快とか爽快とかといったこととは違うが、一気に退屈せずに見せてくれる。
そして、刑期を終えて出所したところで映画は終わる。
娑婆に戻り、そこで目の当たりにしたものに何を感じたのか、それは解答が与えられず、観る者の判断に委ねているようだ。


この作品は「アメリカン・ギャングスター コレクターズBOX <初回限定生産>」というかたちで、2枚組特典映像満載で販売−4,425円(税込)−される。
2枚組みということを考えたら、お値打ち価格。これは、お勧めですね。
ボクも、財布と相談せねば(笑)