『夜のピクニック』’06 長澤雅彦/監督 恩田陸/原作 長澤雅彦&三澤慶子/脚本

夜のピクニック 通常版 [DVD]

beatleさんの感想を読み、これは鑑賞せねば、と思いレンタルしてきました。


多部未華子西原亜希加藤ローサ貫地谷しほり松田まどか高部あい近野成美石田卓也郭智博池松壮亮、と若い俳優たちが、好演してます。


TVドラマでも学園ものが花盛りではありますが、本作はいわゆる「ドラマ」にならない「ドラマ」。
映画だからこそ撮れた作品、と思いました。

<解説>1000人の生徒が一緒に、24時間夜を徹して80キロを歩く伝統行事「歩行祭」。今回で最後の歩行祭となる甲田貴子は、密かな想いを抱いて参加し た。それは、一度も話したことのないクラスメイト、西脇融に話しかけるということ。そんな簡単なことが出来ない…。親友にも言えない、特別な秘密が二人に はあった。今年で最後だから、特別な日だから、賭けにでるのは今日しかない。そして、最後の歩行祭が始まる…。
原作は第2回本屋大賞に輝いた恩田陸のベストセラー。「歩行祭」とは、恩田氏の母校、名門水戸第一高校で戦前から行われている伝統行事なのだそう だ。80キロの道のりを24時間かけて歩く。仲間たちとワイワイしゃべりながら歩いていると、あっという間に3、4時間歩いている。そんな経験、なかなか できるものではない。だからこそ生徒たちはそれぞれの想いを抱いて参加する。それは友人との仲直りだったり、好きな人への告白だったり…。観客も気付かぬ うちに「歩行祭」の参加者になっている。そんな臨場感を感じさせる、長澤雅彦監督のあらたな青春映画の傑作の誕生だ。
夜のピクニック - goo 映画

主な大人の俳優は、田山涼成南果歩嶋田久作くらい。ほぼ若い俳優たちで構成された映画。


ある意味、映画らしくないというか、大きな事件が起きることもなく高校生たちの日常と「歩行祭」をからませて映画が進んでいく。
だから、過剰な演出も、暴力シーンもない。なかなか、笑わせてくれるシーンはありますが。
その中で、少女たちの「想い」が語られ、行動に移されたりする。
対する、男子のほうは、どうも情けない。女の子に振り回されている。
ここの描き方が、絶妙に上手い。長澤雅彦監督の手腕に拍手です。


相変わらず多部未華子は、上手いしチャーミング。
貫地谷しほりは、今更いうまでもないけど、個性的です。
それに、西原亜希もいいですね。『花男』より、こちらのほうが輝いてます。


加えて、『ピクニックの準備』もレンタルして鑑賞。
映画本編のいろいろなシーンの伏線が敷かれている。
本編を観てから、こちらを観ると、「ハーア、なるほどね」となる。
あくまで、本編の「準備」編ではあるが、本作を気に入った方なら満足するだろう。


本作の前日談をオムニバス形式で映像化した『ピクニックの準備』も、本作を鑑賞後に観ると本編の面白さが増す。
『ピクニックの準備』の紹介は、jinkan_mizuhoの映画の部屋 : ピクニックの準備 ’06 - livedoor Blog(ブログ)