『戦場のジャーナリスト Harrison's Flowers』フランス制作 '00 エリ・シュラキ/監督


先日、深夜に放映。録画して鑑賞。日本では劇場未公開。CSとWOWOWで放送されたのみ。
おそらく、舞台となった旧ユーゴスラビアは日本人にとって、ヨーロッパでも馴染みのないところ。
そのため、劇場公開が見送られたのか?


確かに、旧ユーゴスラビアの民族紛争は、単純に知識として欠けているところだ。
地理的な位置にしても、ギリシャの北側とか、バルカン半島−ヨーロッパの火薬庫って、世界史で習う−のあたり
程度の認識だ。
フランスとイタリアとスペインの位置関係は分かっても、
スロベニアクロアチアボスニア・ヘルツェゴビナの位置関係は曖昧。←実際、ボクは分かってなかった。


しかしながら、馴染みの浅深に関係なく、「人間とは」、「戦争とは」と考えさせられる作品だ。
実話に基づく作品なので、行方不明になった戦場カメラマンの夫を捜す妻を主人公とした愛情物語的な部分
もあるにはある。でも、この作品では、ユーゴの内戦を観る者に第三者ではいられないものを心に落とすようだ。

<あらすじ>
1991年、クロアチア紛争の取材に出かけたニューズウィークの戦場カメラマン、ハリソン・ロイド。
ある日、家族の元に彼の訃報が届く。


しかし突然の知らせに混乱するも事実を受け入れられない妻のサラは、現地ユーゴスラビアへ向かう。
夫の死を確認しに戦地へ向かうがそこには悲惨な光景が・・・・。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

殺害シーンや戦死者の死体やレイプされた死体等々、正視に耐えられない所もあるが、
過剰な演出をせずに淡々と描くことによって、返って戦争の常態がリアルに感じられる。


それと、登場人物が個性的かつ魅力的に描かれている。戦場のシーンがリアルで、人物描写が大雑把なんて印象は全く受けず。


時代や地域に関係なく、戦争のある一面を実感するのに好い作品だ。
劇場公開では「130分」。英国発売のDVDは「126分」。そして、米国の方は「122分」。
今回のTV放映では「約93分」。長けりゃ言い訳ではないが、カットされた部分がどうも気になる。
できたら完全版が、観たいものである。
↓字幕はないが、YouTubeで鑑賞できるようだ