Beethovenを聴くシリーズ その2

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集(9枚組)

ピアノソナタ第1番ヘ短調』 作品2-1(1795年作)


モーツァルト短調ピアノソナタをイメージさせる第一楽章だ。でも、単なるマネとかコピーではない。
曲の端々にベートーヴェンの個性が滲み出ている(笑)
モーツァルト没後数年にして、その影響を受けつつも非凡な才能を開花させつつある時期の作品といえようか。


特に、第三・四楽章の緊迫感は、何だろう!
中期以降のベートーヴェンを想像できるのだ。
第1楽章を聴いて、「何だ、これはモーツァルトの亜流だよ。」と揶揄する者がいたら、第三楽章以降でガツンと殴られたような気分になるのではなかろうか?


グルダの演奏は、しっかりとしたタッチで曲の輪郭を的確に表現しているように感じる。
他のピアニストによるものを聴いてないので、断言はできないが、とてもいい演奏だ。