『ミラーを拭く男』'03 梶田征則/監督&脚本
緒形拳・主演の何とも風変わりな映画。共演は、栗原小巻,津川雅彦。
何かに怒りをぶつけたり、主張するわけでもない寡黙−優柔不断?−な男を緒形拳が、存在感豊かに演じている。
<解説>
定年を間近にひかえたサラリーマンが起こしてしまう思わぬ交通事故をきっかけに、一度はバラバラになった家族がゆるやかに再生する様子を温かく描く。ロバート・レッドフォードが主催するサンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞した新鋭・梶田征則のシナリオを、自ら監督。主演は名優・緒形拳、その妻に12 年ぶりの映画出演となる栗原小巻、息子にはDA PUMPの辺土名一茶、娘にはドラマ『ちゅらさん』の国仲涼子が扮する。
ミラーを拭く男(2003) - goo 映画
寡黙な男だと、健さんに代表されるように「実は強い」というイメージがあります。
しかし、この映画の主人公は、「強く」ないです。むしろ「弱い」と言ったほうがいいかも。
栗原小巻も舞台で観る時とは、随分印象が違う。意志薄弱な夫に尽くす妻を好演している。
この主人公に対して、20代の頃だったら「優柔不断なオッサン」、30代のころなら「無責任な男」と感じただろう。だけど、40歳を過ぎてからは「憎めない男」と素直に思う。←ボクも年を取ったものだ(笑)
娘役の国仲涼子は、最近見た『風のガーデン』よりもチャーミングだった!
息子役のDA PUMPのISSAは、歌もダンスも上手いのだから、演技の方は遠慮しといたほうがなあ……。
ワンパターンな演技に「?」であった。
千住明の音楽がこの作品に与えた貢献は、大きい。
なんか、昔のフランス映画で流れていた音楽のようだ。
また、DVDの特典映像で、緒形拳が中学生役の少女に演技を指導しているシーンがあった。
分かりやすく、具体的に、中学生でも理解しやすい言葉で、優しくでも妥協を許さない姿に、緒形拳の役者魂を感じ、とても感動的だった。
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