『喜びは悲しみのあとに』(幻冬舎)上原隆

喜びは悲しみのあとに


前著『友がみな我よりえらく見える日は』同様、有名人は作家と元プロ野球選手だけで、あとは無名の人ばかり。ただ、登場する無名人の趣が前著とは異なる。在日の外国人、倒産した会社の元社員達、キャッチ・セールスの男、インポテンツの男、子殺し裁判を傍聴する女。挙げていくとかなり特殊な−あくまでボクからの視点で、異常という意味ではありません−立場にいる人を採りあげている。

天安門から遠く離れて」は、日本に留学し、語学力を生かして日本で働く中国人女性と彼女の会社の社長とのやりとり。「いるんだよなあ〜。よくわかりもしないくせに、知ったかぶりする中年男って」と感じた。

本書では、どんな立場の人でも、人は人として生きていることを認識させられた。