中学生向けの推薦図書

娘(中3)の国語の教科書をぱらぱらと眺めていたら、「見よう、読もう、楽しもう」という題で本の紹介のページがありました。
さてさて、どんな本を紹介してるのかと思い、読んでみる。
オッ、なかなかやるじゃないか!と思い、ついブログ上で紹介し、皆さんのご意見を訊きたくなりました。

高瀬舟 (集英社文庫)
1,『高瀬舟森鴎外
【自評】これは、もう定番ですね。古くて新しいテーマ、安楽死についての小説。確か、高校1年か2年の時に読みましたが、ガキの頭ではよくわからず、30歳の頃に再読し考えさせられました。


にごりえ・たけくらべ (岩波文庫 緑25-1)
2,『たけくらべ樋口一葉 
【自評】中3生で樋口一葉を愛読書にしている人がいたら、会ってみたいです。明治の東京・吉原界隈の雰囲気を理解できるのかなあー。


李陵・山月記 (新潮文庫)
3,『山月記中島敦
【自評】中国の古典から題材を借用して、近代人の自意識を描いたもの。苦悩した知識人が虎の姿になる話、と書くとつまらなそうだ。んー、実際、中学生にはつまらないかも?


ごんぎつね・夕鶴 (少年少女日本文学館15)
4,『夕鶴』木下順二
【自評】この戯曲は、ボクが中学の時から、生徒演劇のテーマによく利用されていた。「つう」の無償の愛に対する「与ひょう」のあまりに人間的な欲深さ。単純なストーリーだが、ボディーブローのように後から効いてくる。中学生だけに読ますのは、惜しいなあ。


新装版 父の詫び状 (文春文庫)
5,『父の詫び状』向田邦子
【自評】いわゆる古き良き時代の家族をテーマにしたもの。きれい事に終始しているわけではないので、かえって家族の「絆」というものを意識させられる。テーマと親しみやすい文体のせいか、中学・高校の入試問題で頻出している。


6,『戦争童話集』野坂昭如
【自評】この作家の永遠のテーマは「戦争」である。それも、銃後のというか、非戦闘員から見たそれである。マスコミに登場しておバカなこともしてるけど、こんな作品書かれたんじゃあバカにはできないなあ。余談ですが、彼の作詞した童謡を娘とよく歌いました。
戦争童話集 (中公文庫)


TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)
7,『TUGUMIよしもとばなな
【自評】市川準監督で映画化された小説。先に、映画(牧瀬里穂・主演)を観ました。「つぐみ」という病弱である意味悪魔的な少女の「死と再生」をテーマにしている。語り部として「まりあ」−「つぐみ」の従姉妹−が、一人称で登場。 当然、映画と原作は設定を少し変えている。
「つぐみ」という主人公の魅力は、映画の方に軍配が…。小説の方は、後半やや冗長な印象(ボクの感想ですから、あくまで)。以前、ブログに書評-http://d.hatena.ne.jp/jinkan_mizuho/20060729/1154196077-を載せました。よければそちらも参照してください。



8,『つめたいよるに』江國香織 9,『夏の庭』湯本香樹実 10,『三好達治詩集』 
11,『中原中也詩集』 12,『石垣りん詩集』 13,『シェイクスピア物語』ラム

14,『三銃士』デュマ 15,『時の旅人』アトリー 16,『木を植えた人』ジオノ 
17,『老人と海ヘミングウェイ 18,『星の王子様』サン・テグジュペリ

19,『運命の騎士』サトクリフ 20,『影との戦いル・グウィン 21,『龍は眠る』宮部みゆき 22,『わすれられないおくりもの』バーレイ

23,『日本語練習帳』大野晋 24,『遺跡が語る日本人のくらし』佐原真 25,『新版 きけ わだつみのこえ日本戦没学生記念会

26,『ロウソクの科学』ファラデー 27,『ソロモンの指輪』ローレンツ 28,『二重らせん』ワトソン 29,『解剖学教室へようこそ』養老孟司

30,『ゾウの時間 ネズミの時間』本川達雄 31,『コンチキ号漂流記』ハイエルダール 

32,『車イスから見た街』村田稔 33,『プロレス少女伝説』井田真木子

以上の作品です。読んでない作品が多数あり、お恥ずかしいです。何冊かは所有しているのですが未読です。でも、これらの書籍、全部読んでる中学生って、どんな生徒なんだろうね?