Beethovenを聴くシリーズ その1

交響曲第1番ハ長調アンドレ・クリュイタンス指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

ベートヴェンの9曲の交響曲は、どれもが名曲だ。
だが、どうしても第3番「英雄」以降の作品に注目が集まる。これは否めない事実である。


さて、第1番の交響曲は、作曲に着手したのが1799年で完成は、その翌年である。同時期の作品には、「ピアノソナタ第8番<悲愴>」や「ピアノ協奏曲第3番」がある。
それを考えると、交響曲作曲するに当たっては、ブラームスほどではないにしても、それなりに慎重であったのだろう、と推察できる。
確かに、第一楽章なんかは、モーツァルトの後期の交響曲の影響を感じてしまう。
評論家の中には、この交響曲を「ハイドン色が強い」という方もいる。個人的には、モーツァルトの影響を感じるのだが……。


クリュイタンスの演奏は、メリハリのあるくっきりとした印象を受ける。第2楽章の優雅な美しさは、言いようもないくらい心地良い。


クリュイタンスは、フランス人だからベルリオーズラヴェルのようなフランス物はいいが、ベートーヴェンブラームスのようなドイツ物は……、と以前聞いたことがある。
ボクとしては、正統かどうかは置くとして、輪郭のしっかりした小気味の良い演奏は好きである。