『敗戦前後の日本人』(朝日文庫)保阪正康 <'94年8月 読了>


新版 敗戦前後の日本人 (朝日文庫 ほ 4-9)


毎年、この時期には先の戦争に関係する著作を最低1冊は読むように自分に課している。本年は、表題に揚げた書籍ではなく、『戦犯−記者が語りつぐ戦争8−』(角川文庫 読売新聞大阪社会部)を読んでいる。読了寸前なので、感想は次回に。
今回は、'94年8月に読了したものを紹介する。13年ほど前の感想なので、今読んだらまた違った思いを抱くかもしれない.。まあ、しかし、この当時にはどんなことを考えていたのか、自分の過去を探る意味という意義くらいはあるかと思い、掲載させていただきます。

著者は戦後民主主義の一期生であると自らを規定している。その上で、戦後民主主義を前後期に分け、前期の良質なそれを根づかせていくべきだとしている。
そのような視点から、1945年8月15日の前後それぞれ2ヶ月を検証している。読めば読むほど、無能かつ狂信的な軍部指導者の姿が浮かび上がる。加えて、その無責任な体制も。
一度シビリアン・コントロールに失敗した国家なのであるから、軍備については十分な慎重さが必要である。何となくまわりの空気に押されてPKFを容認してしまうようではいけない。
一個人として、歴史から何を学び、何を教訓とするのか、常に念頭に置いて意志決定をすべきだろう。

ざっとこんな感じです。30代半ばなのに結構青臭いこと書いてます(笑)
まだPCも持ってなかった。確か、ワープロで文書を作成していたが、コンピュータとの付き合いはこの翌年であったような気がする。


昨今は「集団的自衛権」の是認を口にするものが着実に増加しているような気がする。防衛庁も「省」に昇進?
しているからなあ。基本的には現状での自衛隊の海外派遣は、反対だ。米英のような、軍の海外派遣の在り方が「普通」とするのは、イラクアフガニスタンの現状を鑑みると、どうも20世紀前半までの考え方にとらわれているような気がする。


読書ノートは昨秋まで書いていたが、現在はブログにその役目を譲り引退。
過去の自分が、どんなこと考えていたかを自分自身を省みるために、少しずつ楽天のブログに掲載している。なかなか更新できませんが…(苦笑) 少しでもご興味のある方は一度覗いてみてください。